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出雲旅行に行ってきました!(2/2)

社員の日常

お久しぶりです、中野です。

気づけば6月も半ばに入り、すっかり梅雨の時期になってしまいました。じめじめとした天気が続きがちで、どうにも過ごしづらさを感じてしまいますね。個人的に湿気を孕んだ暑さは苦手なので、梅雨明けが待ち遠しく感じる日々です。

さて、2月半ばに出雲旅行のことを書いてから、あっという間に4か月ほど経ってしまっていました。少し間が空いてしまいましたが、今回はその続きを書いて、旅の記事を完結させたいと思います。

※前回の記事はこちら:出雲旅行に行ってきました!(1/2)

灯台に行けず…

2日目になりました。当初この日は、午前中に日御碕(ひのみさき)神社と灯台に行き、昼過ぎにはJR出雲市駅に戻ってお土産を買い、夕方には駅近くの温泉でひと息ついて、夜行列車で帰るというような予定を組んでいました。

日御碕灯台とは?
※行けなかったためこれはフリー素材です

日御碕灯台は出雲市の西端の岬にそびえる灯台で、全国にある登れる灯台16基の中の1つです。その大きな特徴としては、圧倒的な高さと美しいビジュアルが挙げられます。明治36年(1903年)に建てられた歴史的な灯台であり、高さは約43.65メートル。石造りの灯台としては日本一の高さを誇り、2022年には国指定重要文化財にも登録されています。

シンボルとも言える白い外壁は、非常に硬く耐久性に優れた花崗岩(かこうがん)でできており、晴れた日には空や海の青と見事なコントラストを見ることができます。また、夕方になると空が茜色に染まり、灯台の白さがより映えるそうです。内部は煉瓦づくりで、らせん階段を160段ほど登ると展望台へ。天気がよければ、日本海のパノラマの中に遠く隠岐の島まで見えることもあるのだとか。

また、灯台の光の強さは48万カンデラあり、夜になるとその光はおよそ40キロ先の沖合まで届くといわれています。ちなみにカンデラ(cd)とは、ラテン語のcandēla(キャンドル)に由来していて、簡単に言うと「ある方向にどれだけ強い光を出しているか」を表す国際単位です。身近な例では、ろうそく1本が約1カンデラ、スマホのフラッシュが40〜100カンデラ、車のヘッドライトが数千〜数万カンデラほどといわれているので、48万カンデラというのはかなり強力な光だというのがわかりますね。

……といった具合に島根屈指の観光スポットなのですが、あいにくこの日は天候に恵まれず、残念ながら断念することに。予定を変更して、駅周辺に戻って過ごすことにしました。次回はぜひ、晴れた日にリベンジしたいです。

朝ごはん

駅の近くに戻ってきた後は、「Cafe Naka蔵」で少し遅めの朝ごはんをとることに。たまたまバス停の近くにあったという理由で入ったお店だったのですが、築100年以上の米蔵をリノベーションした建物らしく、外観も内装も落ち着いた雰囲気がありました。

注文したホットサンドとコーヒーはもちろん美味しかったのですが、サラダの野菜が新鮮で、ドレッシングをかけなくても美味しかったことが一番印象に残っています。また、あとから調べてみたところ、土日は行列ができることもある人気店とのことで、今回はすぐに入れてラッキーだったなと感じました。

Cafe Naka蔵(Instagram)

周辺散策

その後は、駅周辺でお土産を見て回ったり、ゆめタウン出雲に立ち寄ったりして過ごしました。JR出雲市駅に隣接したショッピングエリアには、小さめながらいくつかのお店がまとまっているので、お土産探しにちょうどいい規模感でした。私は生麺タイプの出雲そばを買って帰ったのですが、ちょっとお高めなぶん、とても美味しかったです。

また、ゆめタウンとは、中四国・九州エリアを中心に展開する大型ショッピングセンターなのですが、個人的にこういった地方特有の大きな商業施設が好きなので、店内を歩き回っていて楽しかったです。独特な店内BGMも良い感じでした。

ちなみに、ゆめタウンのすぐ横には病床数500を超える島根県立中央病院があります。大型の商業施設と大きな総合病院が並んでいる様子から、この辺りが地域の人たちの生活の拠点になっていることが伺えますね。

らんぷの湯へ

夕方ごろは、JR出雲市駅から徒歩1分の場所にある「出雲駅前温泉 らんぷの湯」に行きました。この後乗車予定のサンライズ出雲にもシャワーが完備されているのですが、1編成あたりの利用枠が20名まで、かつ利用時間も最大6分という制限があるため、今回はゆっくり過ごせる温泉を選ぶことに。建物としての規模はやや小さめですが、施設内は檜の香りとランプのやわらかな灯りに包まれており、あたたかみのある空間が印象的でした。

お風呂は内湯に加え、1人用サイズの露天風呂が3槽、さらにフィンランド式のサウナが設けられていました。とくに露天風呂は駅のすぐ裏にあるとは思えないほど静かで、目の前に広がる竹林がいい雰囲気を出していました。また、1人でゆったりと過ごせる檜風呂というのも個人的に嬉しいポイントです。

休憩スペースには小さな座敷があったため、同行者とお喋りをして過ごしたり、併設のお土産コーナーをふらっと見て回るなどしました。駅のお店とはまた少し違うラインナップだったので、見ていて面白かったです。移動が多い旅程だったので、ここではのんびりと過ごすことができました。

出雲駅前温泉 らんぷの湯(ホームページ)

サンライズ出雲

今回の旅行のメインコンテンツ、サンライズ出雲に乗る時間がやってきました。そもそもサンライズについて知らない方もいるかと思いますので、まずは簡単に概要をご紹介したいと思います。

サンライズ出雲・瀬戸とは?

寝台列車「サンライズ出雲・瀬戸」は、東京から中国・四国地方へ向かう、日本で唯一の定期運行されている夜行寝台特急です。正式には「サンライズ出雲(東京〜出雲市)」と「サンライズ瀬戸(東京〜高松)」の2系統があり、東京〜岡山までは連結して走り、岡山駅で切り離されてそれぞれの終点へと向かいます。

そんなサンライズの最大の魅力は、夜に出発して朝に目的地へ到着するという”動くホテル”のようなスタイルにあります。夜行バスよりも快適な空間でぐっすり眠りながら移動できるため、翌朝はそのまま観光や予定をスタートできるのが嬉しいですね。

また、寝台の種類も豊富で、リーズナブルな「ノビノビ座席」と呼ばれる簡易寝台から、アメニティや設備が充実したA寝台まで、予算や好みに合わせて選べます。鉄道ファンはもちろん、「一度は乗ってみたい」と憧れる旅行者も多く、今も変わらぬ人気を誇る列車の一つです。

いざ乗車!

サンライズ出雲・瀬戸は、基本的に上下それぞれ1日1便ずつ運行されており(※繁忙期を除く)、今回はJR出雲市駅を18時57分に出発し、翌朝7時8分に東京駅へ到着する便に乗ります。JR出雲市駅には「やくもラウンジ」という広めの待合室があるのですが、私が18時頃に訪れた際には、大きなスーツケースやリュックを持った人たちでにぎわっていました。ほとんどの人が、同じ列車に乗る予定だったのではないかと思います。

18時40分頃になると、ちらほらとホームに向かう人が増えはじめ、私もその流れに乗って移動しました。ホームではスマホやカメラを構える人が多く、中には録音機材らしきものを持っている方も見受けられました。そして18時47分頃、ついにサンライズがホームに到着しました!アナウンスと同時に、皆が一斉にカメラを向ける図が面白かったです。

列車到着後は約10分のうちに写真撮影と乗車を済ませなければならず、慌ただしい中での移動となりました。前述の通りサンライズには複数の寝台タイプがあり、号車ごとに構成が異なるのですが、私の泊まった4号車はとにかく通路が狭かったです。向かいから人が来たらすれ違えないほどで、たくさんの荷物を持っての移動はなかなか大変でした。

ちなみにこの4号車は2階建て構造で、1階部分には今回利用した「サンライズツイン」、2階には最上級グレードの「シングルデラックス」が設けられています。シングルデラックスは広めの個室にベッドのほか、洗面台やデスクも備えられていて、車内では最も設備が充実しています。いつかは泊まってみたい部屋のひとつですね。

列車内のあれこれ

そんな階上の人たちにちょっと羨望を抱きつつ、荷物を抱えて階段を下り、ようやく自室へ。ドアを開けた瞬間、列車内とは思えないほどしっかりした個室が現れ、思わずテンションが上がりました。大きな窓からはホームを行き交う人たちの足元が見え、普段なかなか味わえない視点を体験することができます。また、個室の防音性が思った以上に高く、周囲の話し声などが聞こえなかったことに驚きました。走行音も控えめで、自身が想像していた以上に落ち着ける空間でした。

荷物を整理してひと息ついたころ、あっという間に出発時刻を迎えました。ここから、約12時間におよぶサンライズの旅が始まります。夕食は、夕方に立ち寄った「らんぷの湯」のすぐ隣にある回転寿司店でテイクアウトしたお寿司を食べました。以前出張で益田市を訪れたときも感じたのですが、島根の回転寿司はチェーン店でもすごく美味しいですね。二日続けての海鮮という、ちょっと贅沢で満足度の高い食事ができました。

食後は部屋を出て、車内を少し散策してみました。サンライズにはトイレや洗面所のほか、シャワー室やちょっとしたラウンジスペースも設けられており、設備面も見どころが多くあります。中でも個人的に気に入ったのが自動販売機でした。なかなか渋めのラインナップが良い感じです。

ちなみに、部屋にいる分には気になりませんでしたが、廊下に出ると揺れがけっこう大きく、歩くのにやや苦労しました。私は普段かなり乗り物酔いしやすいタイプなので、酔い止めを忘れたことに一瞬焦りましたが、結局最後まで酔わずに済みました。ただ、同行者はかなり酔ってしまったようで、駅に停車しているわずかな時間に、なんとかお寿司を口に詰め込む苦行を強いられていて可哀そうでした。人によっては酔い止めが必須のようです。

そんなこんなで日付も変わったため、眠りにつくことに。ベッドの上で座り込みながら虚空を見つめる同行者を横に、しっかりと睡眠を取りました。

東京に帰還

朝6時頃に起床すると、窓の外はすっかり都会の風景に変わっていました。至って普通の街並みなのですが、寝台列車と朝焼けの相乗効果で、謎のエモさを醸し出していました。そのままぼんやり景色を眺めていると、あっという間に東京駅に。平日の朝ということもあり、ホーム上はこれから仕事や学校へ向かう人々で賑わっていました。ついさっきまで非日常の中にいた分、帰ってきてしまった感を強く感じました。

名残惜しさを抱えながら、改札で切符を処理してもらい、記念に持ち帰ることに。しばらくは乗る機会がなさそうなサンライズの車両を最後に見送り、今回の旅を締めくくりました。

さいごに

以上が出雲旅行の記録でしたが、いかがでしたでしょうか。

初めて訪れた地でしたが、自然豊かで食べ物も美味しく、短いながら満足度の高い2日間を過ごすことができました。寝台列車も想像以上に居心地がよく快適に過ごせたので、今度は東京発、高松着のサンライズ瀬戸にも乗ってみたいと思います。

また、つい先日、JR東日本から2027年春に新しい寝台列車を運行開始するという発表がありましたね。イメージビジュアルを見ましたが、青を基調にしたスタイリッシュなカラーリングが印象的でした。東北方面への旅も楽しそうで、今から運行開始が待ち遠しいです。