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砂の美術館

社員の日常

デザイナーの田中です。

昨年の秋ごろからいろいろな展示会巡りをしていたのですが、そろそろ本格的に暑くなってきたのでまた秋ごろまで一旦お休みかなと思ってしまうような気温です。

今回は鳥取の旅行の際に訪れた「砂の美術館」について少しだけ紹介します!

砂の美術館

砂の美術館とは

鳥取県鳥取砂丘の砂と水で作られた砂像を展示している美術館です。

「砂で世界旅行」をコンセプトとして会期ごとにいろいろな国をモチーフにした砂像が制作されます。少し意外に感じたのですが「日本」がテーマだったことは2024年までにはなく、今回見ることのできた2025年第16期展示が砂の美術館として初の「日本」をテーマにした展示でした。自分の出身国がテーマの展示を見ることができてちょっと嬉しかったです。

制作期間

砂のブロックをピラミッドのように積み重ねてから徐々に削っていくらしいのですが、砂のブロックを作るのに約2カ月、そのブロックを砂像彫刻家の方が2週間~1カ月かけて作品にします。巨大な彫刻を思ったよりも短い期間で制作していたことに驚きました。

実は今年の1月にも鳥取を訪れているのですがその時期は制作期間のため美術館は休館中でした。無事5月にリベンジができてよかったです!鳥取県は日本海側に位置する関係上、冬は雪が多く降ることもあり来年度に向けて制作する期間として1~3月ごろはちょうどいいんだろうなと思いました。雪の降った後の砂丘には雪俵と呼ばれる自然の造形物ができることがあるのですが、雪俵もかわいいので美術館は見ることはできませんが冬の鳥取砂丘もおすすめです。

材料は砂と水だけ

砂の美術館で展示している砂像は「のり」などの固める材料は使わず、鳥取砂丘の砂と水のみで制作されています。混ぜて乾かすとレンガのように固まるのだとか。

雨が降ったら

雨に濡れて沢山の水分を含むと砂像はとけて壊れてしまいます。大雨の日などは外に展示してある砂像はシートで丸ごと包んで守るそうです。私が訪れた日も雨が少し降っていたため何点かみることがかなわなかったのが残念です。

展示が終わった後

展示が終わると、すべての作品を崩してサラサラの砂に戻します。その砂を再利用して次回のテーマにあった作品を作っていきます。材料が「砂と水」だけだからこそできる仕組みですね!

展示の感想

想像以上の迫力と繊細さに驚かされました。
まず印象的だったのは、砂とは思えないほど細部まで丁寧に彫り込まれていること。人物の表情や衣服のしわ、背景の装飾まで非常に精密で、彫刻ごとに込められた意図やストーリーが伝わってくるようでした。同じ「人」の表現でも浮世絵をモチーフにした像、日本人をモチーフにした像、西洋にルーツのある人物をモチーフにした像などで全く違う作品になっていました。

また、一つひとつの作品のスケールがとても大きく、圧倒されました。これまで大きな彫刻というと修学旅行の際に奈良でみた大仏くらいしか見たことがなかったので、砂でこのサイズ感と迫力を出していることに本当に感動しました。
崩れやすい素材であるはずの砂を使って、ここまでの存在感を出せるというのは、技術だけでなく構想力やチームワークの賜物なんだろうなと感じました。感じたのですがなんと一つの作品につき制作者は一人っぽいです。作品ごとに制作者さんが紹介されていました。すごいです。

展示は入口から順に日本神話、弥生時代、飛鳥、鎌倉…現代のように時代の移り変わりを表現した作品が連なっています。単なる一点ごとの「すごい作品」ではなく流れのある芸術体験として楽しむことができました。
砂の可能性をここまで広げて見せてくれる場所は、他にないと思います。砂の彫刻を見ることができたので、いつか雪の彫刻も見てみたいな~と思う素敵な体験でした!

おまけ

鳥取砂丘

砂丘を見た際に、砂丘のてっぺんにいる人があまりに小さく見えたのでほんとに登れるのか?と不安になりましたが無事頂上まで行くことができました。雨も降っていたりバスが一時間に一本くらいしかなかったため上っている最中に引き返そうかと友人と話もしたのですが、上る分には問題ないが下るには急すぎるルートどりをしてしまったので引き返せませんでした。

頂上は海辺なので風が強く、雨量自体は多くはないのですがこれぞ横殴りの雨というくらい傘の意味がなくてちょっと面白かったです。

鳥取の食事

鳥取は鳥取和牛と地鶏、もさエビを食べました。美味しかったです。

お肉がうりなのはわかるんですがサラダをたのんだらほぼ肉だったのは面白かったです!

人の善意を信じた改札

ICカードが使えるのですが改札(?)はこんな感じでした。降りる駅も似たような感じなので人の善意を信じ切った駅だ!と話していました。正直目の前に階段があるので精算しなくても乗れてしまいそう。夜は怪しく光っています。