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ガウディ展に行ってきました

社員の日常

こんにちは、真鍋です。

先日、天王洲アイルにある寺田倉庫で開催されているガウディ展に行ってきました。

2026年は、建築家アントニ・ガウディの没後100年という節目の年であり、代表作であるサグラダ・ファミリアにおいては、メインタワーの「イエス・キリストの塔」の完成がする年でもあり、世界的にも再び注目が集まっています。

私自身、ガウディに魅せられ約10年ほど前にスペインを訪れ、サグラダ・ファミリアやカサ・バトリョ、グエル邸などを巡った経験があります。
当時ガウディの建築物をみた時の衝撃と感動。その原点に改めて触れてみたいと思い、今回足を運びました。

ガウディの原点は「自然の観察」にあった

展示の序盤では、ガウディの幼少期にフォーカスが当てられていました。
彼は幼い頃からリウマチに悩まされ、また繊細な気質であったため、しばしじっと動かずに、自然や空間、光をじっと観察する時間を多く過ごしたといわれています。

また、父親が銅細工師であったため、銅板をたたき成形する様をよく見つめていたとのことです。

植物の形、光の色、平らな金属が変化していく様子、自然が作り出す構造——
それらを静かに丁寧に見つめ続けた経験が、後の建築に大きく影響しているのですね。

例えば、カウディ建築の屋根の装飾に見られる独特なフォルムは、にんにくやキノコといった自然物から着想を得ているもの。
一見奇抜に見える造形も、実は自然界の延長線上にあると知ると、見え方が変わってきます。

さらに印象的だったのが、サグラダ・ファミリアの内部構造。
枝分かれする石の柱は、カタルーニャ地方に多く生えるプラタナスの木をモデルにしているそうです。

重力を分散させながらも、上からの光を取り込むという…機能的な美を感じます。

建物の中にいるのに、まるで森の中にいるような感覚。
あの不思議な体験の理由が腑に落ちました。

(こちらの写真は10年ほど前に現地で撮影したサグラダ・ファミリアの内部です)

映像と体験で没入する、現代的な展示


今回の展示は、ネイキッド(NAKED, INC.)が演出を手がけており、プロジェクションマッピングなどの映像を駆使した没入型の空間演出も大きな見どころの一つです。


こちらは19世紀末、産業革命の熱気に満ち、ゴシック建築やアラブ様式などさまざまな建築や文化が交差するバルセロナをイメージしているもので、色々な建物や図面や人々が映し出され、当時の活気あふれる街のワクワク感が伝わってくる感じがしました。
さらに手で触れると光が変化するなど、来場者自身が参加できる仕掛けも用意されていて、ただ「見る」だけではなく、「体験する」展示。
建築という少し難しく感じがちなテーマを、直感的に楽しめる工夫が随所にありました。


複雑に見えてシンプルな構造「直線母線曲面」


ガウディ建築の核心ともいえるのが、構造に関する考え方です。

展示では、実際に動かすことのできる模型に触れて、構造の成り立ちを体験することができました。

ねじる模型:直線の部材をねじることで生まれる曲面は「双曲面」と呼ばれ、直線母線曲面の一種です。
一見すると複雑な曲面ですが、実際には直線の組み合わせによって構成されています。

波の模型:こちらは直線の部材を並べて動かすことで曲面が生まれる「直線母線曲面」の例です。
滑らかな曲面も、直線の連続によって形づくられていることが分かります。

これは「直線母線曲面」と呼ばれる考え方で、
ガウディはこの手法を建築に応用し「美しさ」と「施工のしやすさ」を両立させたそうです。

どんなに複雑な設計でも、単純な幾何学要素(特に直線)を使えば施工できる建築を目指した。

一見すると有機的で複雑極まりないガウディ建築ですが、
その根底には「誰でも再現できる構造」という理にかなったルールがあるのだなと感じました。

重力で形を決める「逆さ吊り模型」


ガウディの代表的な手法のひとつが「逆さ吊り模型(カテナリー構造)」です。

鎖を逆さに吊るすと、重力によって自然なカーブ(カテナリー曲線)が生まれます。
これを上下逆にすることで、最も合理的で強度の高いアーチ構造が得られるという仕組みです。

今回の展示では、実際に鎖を付け替えてアーチを作る体験や、
デジタル上でアーチをカスタマイズし自分だけの建築をシミュレーションできるコーナーもありました。
複雑な形に見えても、自然の法則に従っているので合理的であるという点がすごいなと思いました。

光をデザインするステンドグラス


ガウディはステンドグラスを単なる装飾ではなく、空間そのものをデザインする要素として活用しました。

サグラダ・ファミリアでは、
東側のファサードに青や緑の寒色系をのステンドグラスを配置し朝の光を取り込み静けさを演出、

西側に赤やオレンジの暖色系を配し夕方の光を取り込み情熱やエネルギーに満ちた空間を演出、
時間とともに空間の印象が変化するよう設計されているそうです。

サグラダ・ファミリアの内部の不思議な雰囲気にはこのような秘密があったとは、本当に素晴らしいです。

(こちらの写真は10年ほど前に現地で撮影したサグラダ・ファミリアの内部です)

遊び心あふれる展示も

グエル公園の象徴ともいえるトカゲ(サラマンダー)をモチーフにした展示では、
来場者が自由に色をつけることができ、プロジェクションで反映される仕組みになっていました。
大人でも思わず夢中になる、遊び心ある演出です。

ガウディの死と、現代に続く建築

展示の終盤では、ガウディの最期と、彼の死後に続くサグラダ・ファミリアの建設についても触れられていました。

ガウディは1926年に亡くなり、その後スペイン内戦により多くの設計図や模型が破壊されてしまったそうなのですが、その後、ガウディが残した石膏模型の破片を元に、後世の建築家によって、デジタル技術(3DモデリングやCAD)を活用しながら建設が進められてきました。今年はメインタワー完成、これからも建設が続いていくとのことで、時間を超えて多くの人々によって形作られる建築物にロマンを感じました。

まとめ|複雑さの中にある一貫した「自然の法則」

今回の展示を通して感じたのは、
ガウディ建築の「複雑さ」の裏にある、芯のある原理です。

自然の観察、幾何学、重力、光——
それらを徹底的に理解し、組み合わせることで、あの独特な世界観が生まれていました。

ただ奇抜な建築というものではなく、
自然と理論に裏打ちされた「必然のデザイン」。

改めてその奥深さに触れ、10年前に感じた感動をもう一度思い出すことができました。

今年はガウディ没後100年、今なお進化し続けるサグラダ・ファミリアにぜひ注目してみてはいかがでしょうか。