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大英博物館のおすすめ展示品

社員の日常

暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
メディカルデザインは先日、ホスピタルショーに出展をいたしました。
私も少しの時間ですがブースに立たせていただき、お客さまと直接お話しする機会がありました。普段とは違う立場で接することで、新鮮に感じると同時に、自分の仕事を改めて客観的に見直す良いきっかけにもなりました。

イギリス旅行

先月から今月にかけて、少し長めのお休みをいただき、イギリスを旅行してきました。いろいろな場所を巡ったのですが、今回は大英博物館についてご紹介したいと思います。

大英博物館概要

ロンドンの中心部、ブルームズベリーに位置する大英博物館は、世界有数の規模と歴史を誇る総合博物館です。
1753年、医師であり学者でもあったハンス・スローン卿の膨大なコレクション(書籍、標本、工芸品など)をもとに設立され、1759年に一般公開が始まりました。
以後、18〜19世紀の大英帝国の拡大とともに世界中から文化財が集まり、現在では800万点を超える収蔵品を抱えています。

有名すぎる場所は知名度と実際の中身が合致しないこともあるとたまにありますが、大英博物館は名前以上のスケールです。ほとんど網羅的といっていいほど、世界中の展示品にあふれています。
ウェストミンスター寺院の入場料が6000円近くというほどとにかく入場料が恐ろしいイギリスですが、博物館は無料なのでありがたいですね。
見たい展示品に目星をつけてルートも決めていたのですが、現地に行くと隣の部屋から見える展示物が気になってルートから外れまくったのであまり意味がなかったかもしれません。

そんななかでも特に有名な作品をご紹介したいと思います!

大英博物館のおすすめ5作品

ロゼッタストーン

大英博物館の目玉展示物といえばやはりロゼッタストーンですね! 
古代エジプトの文字「ヒエログリフ(神聖文字)」を解読する大きな手がかりとなった石碑で、同じ内容の文章が3つの異なる文字で刻まれているのが特徴です。
人気者すぎて展示ケースが人混みに埋没していましたが、なんとか見ることができました。一目見て、まずは文字の小ささに驚きます。文字というより模様か何かのようです。
デザイン業務は文字サイズに厳しいので、こんなポイント数が許されるのか…なんてことをついつい思ってしまいました。
生のヒエログリフは初めて見ましたが、テレビでみる壁画のものよりだいぶ図式化されていたのに驚きました。古代エジプト人がIllustratorを使えたらさぞかし見事なデザインを作ってくれることでしょう。

ラムセス2世像

ロゼッタストーンから顔を上げて左を見ると、だいぶ存在感のある像がこっちを見ています。長いエジプト史のなかでも屈指の知名度を誇るファラオ、ラムセス2世の石像です。
エジプト美術といえばよく見る壁画のような形式化されたタッチを想像しますが、こちらのお顔はなかなか写実的に感じました。ファラオといってもなんだか少年のような幼さのある顔ですよね。
当たり前ではありますが、作品の大きさは印象をガラリと変えますね。周りの展示品と比較しても、その迫力に圧倒されます。
胸に銃弾のような跡がありますが、どうやら運搬時に開けた穴のようです。今なら非難囂々ですね。

モアイ像

こちらも名物のモアイ像です。以前宮崎に旅行に行った時に海辺に並ぶモアイ像を見ましたが、一回り小さいとはいえやっぱり本物も存在感があり、滑らかな曲線が見事です。
先ほどのリアルなラムセス像とは一転した、このような様式化された美術も、独自性があって印象的ですね。
背中には鳥人信仰のモチーフが彫られており、モアイ像の中でも貴重とされているそうです。

しかし、そもそもモアイ像そのものとほぼ初対面なのでレアと言われてもピンとこない人が多いと思います。私もです。

サットン・フーの兜

イギリスの博物館なのにイギリスに関する展示品が少ない…という非難もあるらしい大英博物館ですが、そんななかでもイギリス史にとって重要な発見であるこちらの兜も必見作品です。
現在のイギリス人の祖であるアングロ・サクソンの王族の埋葬品のひとつで、鉄と青銅でできており、顔全体を覆うマスクのような構造になっています。
このアングロ・サクソン時代は文字資料がほとんど残っていなかったため長らく“暗黒時代”とも呼ばれてきましたが、20世紀になって発見されたこちらの兜は当時の王族がどれほど高度な技術・豊かな文化を持っていたかを示す、数少ない実物証拠だそうです。
兜なのにヒゲがあったり、よく見ると眉毛に動物がいたりと、他の兜には見られない独特の特徴があって、こちらも見応えのある展示物です。

個人的おすすめ展示品/カリアティード

私にとってなんといっても外しがたいのはギリシャコーナーのカリアティードです! 
以前のブログでも紹介した、アテネのアクロポリスにある神殿を飾っていた石像で、6体あるうちの5体を去年行ったギリシャの「新アクロポリス博物館」で見たのでこれですべての石像を見れたことになりますね!
しかしながら他の姉妹と離れ離れの姿はやはり痛ましく感じられます。そもそも6体そろっての彫刻です。
そのため、ギリシャ政府は大英博物館に対してこれらの所蔵品の返還を求めています。さらにいえば先ほど紹介したモアイ像なども返還を求める声が上がっているのが現状です。
それも当然のことですが、しかしながら一人の来館者にとって博物館とは知らない文化に触れることができる貴重な場でもあります。実際、館内には小学生から高校生くらいまで、多くの学生が学校の授業の一環として訪れているようでした。
とはいえやっぱり…といった具合に、色々考えてしまいますね。

番外編

・大英博物館ミュージアムショップ
ロゼッタストーングッズ、エジプトグッズなどはもちろんなのですが、これに負けず劣らず人気だったのが日本画グッズです。
ここで日本文化に触れた外国の方が日本に興味を持って観光にいらっしゃるのかなと思うとやはり博物館という場所が果たす文化交流の意義を感じますね。

・大英博物館アプリ

実はアプリのクオリティが高くて大英博物館に行かなくても十分な情報量を得られてしまいます。
わかりやすさに感動して思わず課金しました。入場料が無料なのですからこの程度の出費なんのそのですね。
このアプリに限らず、旅行中に使用した海外のアプリはどれも使い勝手がよくて、学ぶところが多かったです。

最後に

博物館や美術館では、普段とは違う視点に出会えるので、デザイナーとしても良い刺激になります。まだまだご紹介しきれない展示もたくさんありますが、楽しんで読んでもらえたら何よりです!