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初期研修医採用・募集

マッチング率を高めたい病院へ。

医学生に"選ばれる病院"になるための、仕組みづくりを一緒に考えます。

はじめに

  • 「なかなかマッチングで学生が集まらない」
  • 「特定の大学からしか応募が来ない」
  • 「研修プログラムの魅力をうまく伝えられていない気がする」

このようなお悩みを抱える病院は、決して少なくありません。

いま、研修先を探す医学生の多くが、募集要項だけでは伝わらない、「人」や「現場のリアル」を求めています。実際の研修医の声や、見学後の継続的なつながりが、病院選びの決め手になることも珍しくありません。

医師としての第一歩を踏み出す場として、自分が安心して学べるか。
日々のリアルな雰囲気が伝わってくるか。

それは、募集要項だけでは伝えきれない部分です。

私たちメディカルデザインは、病院の初期研修医募集を「Webを使った戦略設計」としてとらえ、医学生と病院の接点づくりをサポートしています。

マッチングの現場で起こっていること

では、実際の現場ではどんなことが起きているのでしょうか?

「応募が来ない」「マッチングしない」といった結果の裏側には、学生側の価値観や行動の変化、そして病院側の伝え方のギャップが潜んでいます。

都市部集中・地方離れの加速

医学生の多くは、東京や大阪といった都市部の病院を志望する傾向が強く、その結果、地方病院では人材確保がますます難しくなっています。

生活の利便性や交通アクセス、情報の多さ、将来のキャリア展開──
あらゆる面で都市部が優位に映るなか、地方病院は「選ばれにくい構造」に置かれています。

このような状況に対応するため、国は「地域枠」制度を導入し、将来的に特定地域での勤務を前提として医学部へ入学する仕組みを整備してきました。制度としての意義は大きく、地域医療人材の育成や、地元志向の学生への進学機会の提供など、一定の成果を上げていることも確かです。

ただし、その進路が制度通りに進むとは限らないのが、現場の実情でもあります。
途中で進路変更を希望したり、研修先・キャリア形成の段階で制度から離脱してしまうケースも一定数存在し、結果的に、地域枠=採用保証という構図は成立しにくくなっているのが現実です。

地域枠を頼るだけでは、安定した初期研修医の確保にはつながりません。
だからこそ、「この病院で研修したい」と思ってもらえる理由を、病院自身が主体的に発信することが求められています。

“直美(ちょくび)”志向の増加

もうひとつ、近年の研修医をめぐる大きな変化として、“直美(ちょくび)”と呼ばれるキャリア選択があります。
これは、「直接、美容業界に行く」という意味で、初期研修終了後、すぐに美容クリニックなどの自由診療領域に進む若手医師のことを指します。

背景には、給与水準の高さ、当直・夜勤がない労働環境、そして業務のストレスや責任の重さから解放されるライフスタイルへの魅力があります。
とくにSNSやメディアの影響もあり、「若いうちに稼ぐ」「仕事を人生の中心にしない」という考え方が、医療の現場にも浸透しつつあります。

こうした変化は、従来の「厳しい現場で学び、将来に備える」という王道ルートに対して、あえて踏まないという選択がリアルになってきたことを示しています。

この流れを踏まえると、「それでも臨床で学びたい」「この環境で成長したい」と思わせるような魅力の言語化が、病院側に強く求められているのです。

医学生の内面にある“温度差”

また、研修医側の「内面の変化」も見逃せません。
一部の医学生には、医学部に進んだ理由が「東大には行けなかったから」「成績が良かったから」という、いわば消去法的な選択であった層が一定数存在します。

もちろん全員ではありませんが、明確な志を持たずに医師の道に進んでいる学生も少なくなく、そうした学生は、研修先選びにおいても、目的意識が希薄な傾向があります。

  • どこで研修したいか、なぜそうしたいのかが自分でも整理できていない
  • 情報はあるものの、自分に合う場所の判断軸を持てない
  • コンプレックス(学歴、外見、人間関係など)から主体性を持ちづらい

結果として、「よく知られている都市部の病院をとりあえず選ぶ」という、消極的な選択に流されやすくなってしまうのです。

こうした学生たちに対して、病院側が“わかりやすい選択肢”として可視化されているかどうかは非常に重要です。
とくに、指導医の顔やスタンス、研修医の声、学びの環境といった実感を伴う情報の有無が、検討テーブルに乗るかどうかを左右します。

病院と学生の間にある“見えないギャップ”

では、医学生はどのような基準で研修先を選んでいるのでしょうか? 病院側が思っている以上に、その判断軸は多様化しており、かつ個別の価値観に根ざしたものになっています。

下記に示すのは、学生が実際によく挙げる代表的な視点です。

学生が研修先を選ぶ6つの視点

No. 判断軸 内容
1 大学病院の医局志望 初めから大学病院に残ることを前提としている層。医局制度や研究志向に魅力を感じている。
2 地域性 出身地や家庭の都合、地域枠による制約など。地理的要因で選ぶケース。
3 短期間で成長できる環境 手技・症例数・当直経験の豊富さ。いわゆる“パワーレベリング”ができる環境を重視。
4 コネ・信頼できる人の存在 部活・サークル・予備校などでの先輩や指導医からの評判が影響。口コミ重視。
5 ハイボリュームセンター 症例数の多さ=経験値と捉える傾向。たくさんの患者に関われることが魅力に。
6 研修プログラムの中身 ローテーションの自由度、診療科バランス、自由選択枠の有無など、制度面の比較。

この中で病院側が情報を発信することで向上できるのは、主に 3〜6 にあたる領域ではないでしょうか。

多くの病院では、診療科の一覧や募集要項など、基本的な情報が掲載されていますが、内容は制度の概要にとどまり、研修の特徴や具体的な中身までは十分に伝えられていないケースが少なくありません。
経験できる手技や症例数といった客観的なデータに加えて、指導医の人柄や現場の雰囲気、働く自分をイメージできるような体験の描写も、病院選びにおいては重要な判断材料となります。

こうしたデータや人、体験にまつわる情報を、バランスよく、立体的に発信していくことで、学生が知りたい情報と病院が届けている情報のギャップを埋めることができるのではないでしょうか。

選ばれる病院になるために必要なこと

「それでもこの病院を選ぶ理由」の提示

美容クリニックのような選択肢が増えている今、研修病院が選ばれる側として生き残るには、

  • 「ここで研修すれば、将来どう成長できるのか」
  • 「どんな指導医や症例に出会えるのか」
  • 「実際に研修した人はどう感じているのか」

といった情報を、学生の目線に立って伝えていくことが求められます。

ただ情報を掲載するだけでなく、熱意と具体性をもって共感を得ること。それが、マッチング率を左右する決定的な差になります。

Webを活用した関係性づくり・情報発信

また、医学生に届く病院になるためには、指導医、上級医、先輩医の情報を積極的に発信する工夫も必要です。 そのために次のようなWeb発信や仕組みづくりを私たちはご提案します。

  • 指導医:ドクターインタビューの掲載
  • 上級医:データベース形式での紹介(専門領域や指導スタンスの可視化)
  • 研修医:ブログで日々の様子やQ&Aを発信

このような鮮度の高いコンテンツは、学生の具体的な志望動機形成に直結します。 病院側が「誰に来てほしいのか」「なぜこの環境で学ぶ価値があるのか」を明確に伝えることで、共感と納得をもった応募につながる関係性を築くことができます。

また、学生との接点構築として、病院見学は重要なタッチポイントです。
学生はまず病院見学を通じて雰囲気をつかみ、見学後に継続的な接点が持てるかどうかで印象が大きく変わります。

見学者リストを活用して個別のフォローアップを行う、LINE等のSNSや選考のフロー上で定期的な情報提供を行うといった工夫により、単純接触の回数を増やし、病院の熱量を伝えていくことが重要です。

さらに、医学生が実際に病院と対面で会う機会は限られており、多くても2〜3回程度です。 その限られた時間の中で「この病院で働きたい」と思ってもらえるよう、国試対策コンテンツの発信なども含め、日常的な関係構築を丁寧に設計していく必要があります。

「伝えたい時に伝える」のではなく、「届く時期に届ける」戦略を

重要なのは発信する内容のみではありません。

初期研修医のマッチングは、毎年6月〜7月頃にピークを迎えるため、年間を通じた計画的な発信が重要です。 メディカルデザインでは、以下のような時期ごとの優先施策をおすすめしています。

年間スケジュール例

時期 学生側の動き 病院側の目的 推奨アクション
1~3月 情報収集・病院見学の検討 認知獲得と関係構築のスタート
  • 指導医・上級医紹介コンテンツの更新
  • 研修医ブログ、LINEコンテンツ配信
  • 病院見学案内の設置と予約受付
4~6月 見学・説明会・応募(マッチング開始) 志望形成の支援と応募誘導
  • 見学者リストからの個別フォロー
  • 説明会リマインド配信
  • 志望動機につながる情報の再発信
7~9月 マッチング中・選考結果待ち 関係維持と内定フォロー
  • ステップ配信による継続的接点
  • 内定者向けコミュニケーション施策
10~12月 翌年の動き出し前 次年度準備
  • データ振り返り・改善設計
  • コンテンツのリニューアルと計画立案

このように、学生の動きに合わせて発信内容とタイミングを調整していくことで、効果的に接点を築くことが可能になります。

医学生にとっての「ここで働きたい」を、設計しませんか?

メディカルデザインでは、下記のような施策を通して、初期研修医採用のための仕組みづくりを支援しています。

  • 採用専用サイトの構成・設計(年間計画ベース)
  • コンテンツ作成・更新支援(インタビュー・ブログ等)
  • 採用管理フローの設計支援
  • LINE/SNSを用いたコミュニケーション設計
  • SEO対策(臨床研修医・初期研修・マッチング等)

「伝えれば、もっと魅力が伝わるはずなのに…」「本当に来てほしい学生に、届いていない気がする」そう感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

医学生に選ばれる病院になるための“伝え方”と“仕組み”を、一緒に考えます。